股関節の痛みを改善するには、まず仙骨・腰椎の歪みを治すこと
by 背骨コンディショニングスタジオ 藤井聖司
股関節の痛みやつまり感・硬さなどの症状を改善するには、まず仙骨・腰椎の歪みを改善することです。
仙骨や腰椎から伸びる神経は、股関節・膝を通ってつま先まで伸びてゆきます。
神経の出処である仙骨や腰椎が歪むことで神経の伝導異常が起こり、関節の滑液の出や血流が悪くなってしまいます。
すると骨が直接ぶつかってその部分に炎症が起こり、長く続けば骨自体も変形して行くのです。痛みの原因は骨の変形でも炎症が起こっていることでもなく、それ以前に滑液の出が悪くなっていること、そしてそれを引き起こす神経の伝導異常と背骨の歪みにあるのです。
一般的な原因は加齢または原因不明の血流障害で、諦めている方も多い
股関節の変形や痛みは以下のような原因があげられています。
- 変形性股関節症:加齢による骨の変形
- 臼蓋形成不全:骨盤の臼蓋が先天的に浅く、大腿骨頭を十分に覆っていない状態
- 先天性股関節脱臼(発育性股関節形成不全):出生時または発育過程で股関節が脱臼
- 特発性大腿骨頭壊死症:血流の低下により大腿骨頭が壊死する
- ペルテス病:成長期に大腿骨頭で血流障害が起き、骨壊死する
*『全部見えるスーパービジュアル整形外科疾患』成美堂出版より
原因の多くは「加齢」「生まれつき」または「何らかの原因で血流低下または血流障害」とされており、仕方ないと諦める方も多いようです。
痛みの原因は「骨の変形」ではなく「滑液不足」
確かに「生まれつき」痛みがずっとある方もいるかもしれません。
しかし生まれてから40~50年全く症状がなかったという方も非常に多く、「骨の変形」が原因だとしても朝と夜で骨の形は変わらないのに痛みの強さが違う方がほとんどです。
こう考えると痛みには「骨の変形」以外の要因が大きいと考えることができます。
股関節の痛みの本当の原因は、
- 仙骨・腰椎など背骨が歪む。
- 神経の伝導異常が起こり、滑液の出が悪くなる。
- それにより骨が直接ぶつかるところが炎症を起こす。
つまり「変形」は滑液不足となった部分の骨が直接ぶつかり続けた結果であって痛みの原因ではない。
こう考えると、骨の形は朝と夜で変わらないのに、痛みに大きく差が出る理由がスッキリと説明できます。
股関節の歪みも痛みの原因となる
次に必要なことは、股関節の歪みを正しい位置に戻すことです。
仙骨はよく後ろにズレる骨ですが、そうなるとその両側にある骨盤の骨である腸骨は内旋し、股関節も内側に巻き込まれてゆきます。すると大腿骨の一部が強く骨盤に当たり、その部分に炎症が起こったり、変形する可能性が高くなります。
仙骨・股関節の歪みをチェックする簡単な方法
あなたの仙骨・股関節が歪んでいるかどうか、簡単な方法でチェックできます。
映像に合わせてチェックしてみましょう。
仙骨・腰椎の後方変位・傾きをチェックする方法
by背骨コンディショニングスタジオ 藤井聖司
モデル:背骨コンディショニング府中スタジオ 加藤紗里
股関節の歪み簡単にチェックする方法
by背骨コンディショニングスタジオ 藤井聖司
モデル:背骨コンディショニング府中スタジオ 加藤紗里
仙骨・股間節を歪ませないために、大臀筋を「バックキック」で鍛えよう
by背骨コンディショニングスタジオ 藤井聖司
仙骨を両サイドから支えているのが、大臀筋というお尻の筋肉です。この大臀筋は大腿骨の外側に覆いかぶさるように付いていて、仙骨と股関節を正しい位置に保つ働きがあります。
大臀筋を鍛えるには「バックキック」がお勧めです。
ただし通常の形とは異なり、仙骨が後ろにズレるのを防ぐためにあえて腰を丸めた形で行うのがお勧め。
さらに股関節の調子が悪い場合は、足を後ろに蹴り上げたあと骨盤を横に向けながら持ち上げるような形にして、大腿骨に骨盤をはめ込むように動かします。
この方法でバックキックを行なっている最中に「コキ」と音がして大腿骨がハマり、その場で股関節の調子が改善したお客様もいらっしゃいます。
十分筋肉がつくまでには最低半年から一年は必要
ただし一度炎症が起こると、立ち上がって歩くだけで股関節にはいつも体重がかかってしまい、傷口を刺激する形になり、治るのに時間がかかります。
痛みを感じさせないようできるだけ負担をかけないように生活しつつ、仙骨・腰椎や股関節のゆるめ・矯正をしっかりと行ないながら、骨が正しい位置で保てる筋力がつくのを待ちます。
筋力トレーニングは週2回、1クール6ヶ月のトレーニングを2クール(1年)ほど行うと日常では痛みが気にならなくなる方がほとんどですが、スタート時の筋力があまりに低下していたり、予定通り継続できない場合など、2~3年かかる方も多いのが現状です。
人工関節の手術をする場合も筋力トレーニングがお勧め
人工関節の寿命は30年ほどと言われています。70歳を過ぎると変形や筋力低下が進む前にできるだけ早く手術を勧められるケースも多く、痛みに耐えられなく、手術を決断される方もいらっしゃいます。
しかし手術をしただけで全てが解決する訳ではありません。
術後は筋力トレーニングと可動域を改善させるストレッチがもちろん必須となり、自らの運動はいずれにせよ必要なのです。
末期の変形性股関節症の方を対象に手術1ヶ月前から運動を行なった経過を調べたある論文では、手術直前も術後も筋力・可動域・痛み・QOLなど全ての項目において改善が見られました。(『Effect of pre-operative phtsiotherapy in patiants with end-stage osteoarthitis undergoing hip arthroplasty. Ferrara PE, Rabini A, 他 2008 )
これは股関節の変形が末期と言われても運動により痛みが改善し、術後も経過が良くなる可能性を示しています。
適切なサポートを受けて、長期間にわたるトレーニングを乗り越えましょう!
一人で半年から1年、長くて2~3年のトレーニングを続けるのは大変なことです。
またせっかく行なっても自己流で種目・フォーム・負荷・回数・セット数などが適切でないと遠回りになってしまうこともあります。
パーソナルトレーナーの資格を持った指導者ならマンツーマンでチェックしてもらいながらトレーニングを安心して進めることができます。
パーソナルトレーナー(矯正認定)またはスペシャリストなら、トレーニングのチェックに加え、仙骨・股関節を手技により矯正してもらうことができます。「ゴリゴリ」と心地よい音を感じながら、その場で身体が楽になり、動きが良くなる感覚を体感できることでしょう。
こうした個別指導は背骨コンディショニングスタジオで受けることができます。定期的に指導を受けてやる気を維持しつつ、正しいフォームをマスターし、状況に合わせた効果的な体操のアドバイスを受けながら、いつでも行きたいところへ歩いて行ける、自由な身体を取り戻しましょう!
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